「上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅱ」  高殿円

二年前に読んだ前作がとても面白かったので
期待して読んだが やはり 楽しく読むことができた。

富丸百貨店外商部勤務の 鮫島静緒(さめじましずお)は
高校を出て 製菓専門学校に行き 菓子店に勤めていたが
売り込みに行った百貨店に引き抜かれて 今の仕事をしている。

取引先は 高級住宅地・芦屋の金持ちばかり。
庶民の私には そういう世界を垣間見るのも
楽しい。
何より主人公は 我々と同じく庶民だから
よけい楽しめるのかもしれない。

いつもお客様を思いやり
それでいて 商売も忘れない
そんな元気いっぱいの主人公の姿が
とても楽しい。

離婚してバツイチである鮫島静緒は
ゲイのハンサム青年と 何故か マンションをシェアしている。
彼らの 距離感が これまた楽しめる。
どちらのキャラクターもいい感じ。

これからの続編もとても楽しみだ。









「臨床真実士 ユイカの論理 文渡家の一族」  古野まほろ

作者は東大卒 リヨン第三大学法学部で専攻修士課程終了という才媛である。
だから 難解な言葉の羅列かと不安だったが
そうでもなかった。

臨床真実士ユイカこと本多唯花には虚実を瞬時に判断できるという特殊能力がある。
ユイカは大学で心理学を学んでいるが その友人である鈴木春彦を通じて
大富豪一族出身の文渡英佐より依頼があり
彼の一族が暮らす下界と遮断された村へと向かう。

次々と起こる殺人事件。
犯人は? 複雑な真相がユイカによって 明らかにされていく。

いわゆる 本格モノと言われる
遺産相続にまつわる 大富豪の殺人事件だが
意外な展開で 面白く読めた。

彼女の 嘘ー真実を見抜く能力については
はっきりとは理解できなかったけれど。








「太陽の棘」   原田マハ

原田マハさんは ご本人のバラエティに富んだ経歴を反映するかのように
様々なジャンルの作品を書かれている。

この作品には モデルがいらっしゃるようだ。
戦争直後の沖縄での アメリカ基地勤務の精神科医と
地元の芸術家達とのふれあいを描いている。

沖縄は40年以上も前に 日本に戻った。
私の若い頃は まだ 外国でパスポートも必要だった。
それ以前では 琉球という日本とは異なる国・民族であった。
これだけ 日本の人々が各地を移動する時代になっても
沖縄には 沖縄の人が住んでいる。沖縄の顔がある。
たとえば 兵庫県の顔 東京都の顔? そんなものは ほぼ存在しないと
思われるけれど 地理的にも 民族的にも そういう感覚があると思う。

私は 本島に一度 石垣島付近に二度しか行ったことがないが
沖縄の空気 自然には とても魅かれる。
もちろん海の青さにも。。。

戦後 70年以上経っても 
今尚残る 基地問題など
沖縄の抱える問題は多い。
でも 戦後にも こういう暖かい交流があったことを知り
ほわっと温かい気持ちになれた。







「七人の敵がいる」  加納朋子

「我ら荒野の七重奏」を読んで 感想をアップしているが
これは 2011年に読んだ作品で 「我ら荒野の~」の作品の前のことが描かれているので
アップすることにした。 息子が小学生の頃の話である。



『七人の敵がいる』 加納 朋子 / 集英社

働くママのPTA活動

ワーキングママの 子供にまつわる行事役員の奮闘が楽しく描かれている。
私は 専業主婦だったが 一応PTA役員なども経験したので 彼女の真っ当な理屈がよく理解できて 楽しく読むことができた。

山田陽子は直球型の性格である。
そして 主婦仲間のだべりングにも参加していないのでPTA活動などに対する事前知識もなく 様々な会合では のっけから敵ができてしまう。

結局 PTA役員やら サッカーの役員やらを引き受けてしまうはめになり…
彼女の周りに登場する 群れていない母親たちも 個性的で楽しい。
何より 陽子のきっぱりした態度には感服させられる。
実際に なあなあ主義のPTA活動などでは 確実に浮いてしまう人格だが 根が気のいい人なので いつかは理解され頼られていくのかもしれない。
ことなかれ主義の自分とは正反対の性格だけに 惹かれるのかもしれない。

息子の小学生時代を懐かしみながら 読むことができた。















「我ら荒野の七重奏」  加納朋子

加納朋子さんは好きな作家さんで
これまでたくさん読んできたと思うのに
このブログに記録がなかった。
それで 以前の書評サイトの投稿をチェックしてみたら
ちゃんとあった。
この作品の前作である 「七人の敵がいる」もちゃんと記録してあったので
再アップしようと思う。

彼女の作品は 優しく温かいものが ほとんどだが
この作品は ぱ~っと明るいやり手のキャリアウーマンが
主人公である。 でも彼女の仕事のことではなくて
一人息子の部活の母親間のトラブルに果敢に挑戦していく姿が
描かれている。 主役は親の方である。

私は ボランティア精神がないので
色々なお役は できるだけ避けて通るタイプで
息子達のクラブ活動でも ほとんど何もしてこなかった。
だから この主人公・山田陽子とは 正反対の性格・生き方である。
でも 私はこういうタイプの女性が好きだ。
現実に相対したら どうかはわからないけれど(笑)
すかっと さわやかな読後感。
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