「ええもんひとつ」  山本謙一

先日読んだ「千両花嫁 とびきり屋見立て帖」の後に出版されているが
ストーリーはこちらが前のようだ。

時は江戸時代 舞台は京都。
ゆずは 京都の老舗の道具屋の愛娘である。
2番番頭の真之介といい仲になっていくが 
大物との縁談がきていて…

偽物 本物 まがい物 など 飛び交うこの世界も
大変なようで ましてや 時代は幕末の混沌とした頃で
穏やかな京の町にも たくさんの侍が出没し 不穏なムードのようだ。

自分も町娘かなんかになって(おばさんではなく・笑)
す~っと この物語の世界に入っていきたいような そんな気分にさせてくれた。

スポンサーサイト

「千両花嫁」(とびきり屋見立て帖)  山本 兼一

まだまだこれからの作品を楽しみにしていた作家「山本兼一」さんが2月に亡くなられた。
これまで3冊しか読んでないので 他のも読んでみようと思う。

お江戸の老舗道具屋である「からふね屋」のお嬢様である ゆずは
以前店で働いていた 真之介とかけおちする。
かけおちといっても 同じ江戸の中で 同じような商売である。
家族には許してもらえないが 二人は小さな店「とびきり屋」を仲良くやっている。

時は幕末 不穏な空気の中で暮らす彼らの前にも
物騒な侍達が出入りする。
歴史に名を連ねている有名な侍たちが 次々登場してくる。

道具屋というのは 古道具を扱うので
ある意味 騙しあいのような はっかりをかますような部分もあるようだ。
これは京都が舞台なので やわらかい言い回しで 本物ではないことを買い手に悟らせたりもしている。

この作品に登場する地名には たいてい反応できるので
そこの光景を江戸時代に~と脳内変換して
楽しく読み進めることができた。

「利休にたずねよ」  山本兼一

秀吉に切腹を命じられた その利休最後の日が
冒頭場面となっている。

利休 秀吉 そしてそれ以外の家康、石田三成や茶人仲間など
それぞれの視点から 秀吉の治世や利休との関わり方が描かれていく。
時間が逆行して 過去へと戻っていくので 面白い設定なのだが
私としては 通常の流れの方がわかりやすかったかも。

これは小説であるので
実際の彼らとは違っているのかもしれないが
だいたいの性格や行動は こういう感じだったのだろうなと
納得できて わかりやすい作品だった。

領地を奪い合い 戦に明け暮れる武士と
優雅な茶道とは 私にはどうも結びつかないように思えるのだが
たしかに こういう背景で 茶の湯は生まれ育ってきたのであろう。

茶道は利休が始まりなのかと思っていたが
そうではなく 彼にも又師と仰ぐ人がいたようだ。
では 一番初めの人はだ~れ?

「銀の島」  山本兼一

日本の銀が 16世紀頃
ヨーロッパなどで 重宝されていたということを
歴史に授業で習ったのかどうか~
全く覚えてないが 
石見銀山は世界遺産にもなっているのだから
どうやら そうだったのだろう。

父親を手に掛けて日本を脱出した 安次郎
安次郎と出会い 日本へキリスト教の布教にやってきた フランシスコ・ザビエル
そして 日本の銀を目当てに 野望を抱いてやってきた バラッタ

この3名 それぞれの立場が交錯して 歴史物語は 大波のようにうねっていく。

最近 ザビエル関係の作品をいくつか読んできて
私なりに 彼のイメージを持つようになってきたのだが
(マカオでは 彼の手を拝顔してきたことだし)
この作品では ザビエルは 物哀しい姿で描かれている。
日本での伝道もおもうようにいかず 天皇にも会えず
戦乱の世に巻き込まれそうになりながら
日本を去っていく…

そして ポルトガル語が 今も日本語として たくさん定着し
今では両国の友好が保たれているが
かつて ポルトガルとスペインが 勝手に全世界を二分して
それぞれの領土にしていった過程を振り返ってみて
よくぞ 植民地にされず 頑張ってこれたものだなあと
当時の日本人の強さ 頭の良さに感服する。
この作品では ポルトガルの驚異から日本を救ってくれたのは
中国の海賊・王直だと言う。
かの国の恩恵を受けた時代も たしかにあったのだろう…

実在の人物を主人公にした物語は数多く書かれているが
史実は同じでも その捉え方は 作者の意思・思考が
かなり反映されていて 興味深かった。
ずっしりとした読み応えのある作品だった。



09 | 2017/10 | 11
Su Mo Tu We Th Fr Sa
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

のりりん

Author:のりりん

かうんたー
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク