「トッカン 徴収ロワイヤル」  高殿円

「トッカン」とは 特別国税徴収官のことだそうだ。

鈴宮深樹27歳は トッカン(特官)付き職員で
トッカンである上司・鏡は 彼女がひそかに
「ハスキー犬」と呼んでいるほど 鋭い視線を持つ
厳しい人物のようだ。
上司には 「ぐー子」と呼ばれている。

この作品は 4作目かな。初の短編集。

実際の業務以外に
埼玉県和光市にある 税務大学で 5年目の研修風景が
描かれていく。
ここでは 税務官同士の恋が芽生え ゴールインすることも多いというので
張り切る鈴宮深樹であった。

でも私は研修風景より
実際の現場での奮闘風景の方が興味があり 楽しかった。

対馬での リアル捕り物風景は 楽しめた。
映像が浮かんでくるようだった。










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「カミングアウト」  高殿円

援交している女子高生
  ロリータファッションが好きだけれど 職場に内緒の30歳
   夫にも子供達にも かまってもらえない主婦
     夫の定年の日に離婚届を突きつけようと 待構えている中年主婦


それぞれの話は 多少からみあっている。
事件性はなく どってことない日常だけれど
本人にとっては大問題なことばかり。

援交している女子高生とは知り合ったことなないが
フリフリや アニメの主人公のようなファッションの若者には遭遇したことがある。
私だって 平凡な主婦である日々をつまらなく思ったこともある。
離婚しようと思ったことはないけれど。。。


共感できる主人公はいないが
それなりに楽しく読めた。

「政略結婚」    高殿 円

この作品は 一風変った構成になっている。

加賀百万石の前田家の分家筋に当たる「加賀大聖寺前田家」の一族のことが
3章に渡って描かれていく。
時代は江戸末期~明治~大正~昭和~平成

第一章   てんさいの君
第二章   プリンセス・クタニ
第三章   華族女優


「てんさいの君」  

加賀藩主と側室の間に生まれた「勇(いさ)」の生涯が描かれていく。
のんびりした加賀の地を離れて 江戸へと嫁ぎ
夫や子供 跡継ぎなどに次々先立たれながらも
強く生きていく明るい勇の姿が描かれていて
あまりどろどろした部分はないので
さらさらと読んでいった。
勇の おつきの「蕗野」の存在が頼もしい。



「プリンセス・クタニ」

明治半ば パリで生まれた「万里子」は
江戸時代であったなら 小松藩のお姫さまであったので
日本に帰国してからは 学習院に入り
華族(子爵)家の一員として暮らしている。

学校で新華族と呼ばれる 峰山美子と友人になり
その家族とも親しくなったことで 彼女の人生は
変っていく。
このとき 峰山一家が暮らしていた洋館は
次の第三章にも 登場してくるのだった。


花音子は 伯爵家のお嬢さまであったが
没落し 学習院に通いながら
ショーの踊り子としてデビューする。

やがて 母から受け継いだ 音楽の才能を認められ
女優として活躍するようになる。

第一章で登場した 小松で作られた「てんさい」の描かれた大皿が
ここでも登場してくる。


お姫さま~華族~という夢のような世界に
するり~と入り込んで楽しむことができた。









「上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅱ」  高殿円

二年前に読んだ前作がとても面白かったので
期待して読んだが やはり 楽しく読むことができた。

富丸百貨店外商部勤務の 鮫島静緒(さめじましずお)は
高校を出て 製菓専門学校に行き 菓子店に勤めていたが
売り込みに行った百貨店に引き抜かれて 今の仕事をしている。

取引先は 高級住宅地・芦屋の金持ちばかり。
庶民の私には そういう世界を垣間見るのも
楽しい。
何より主人公は 我々と同じく庶民だから
よけい楽しめるのかもしれない。

いつもお客様を思いやり
それでいて 商売も忘れない
そんな元気いっぱいの主人公の姿が
とても楽しい。

離婚してバツイチである鮫島静緒は
ゲイのハンサム青年と 何故か マンションをシェアしている。
彼らの 距離感が これまた楽しめる。
どちらのキャラクターもいい感じ。

これからの続編もとても楽しみだ。









「カーリーⅢ 孵化する恋と帝国の終焉」  高殿円」

「カーリー」シリーズ第3作。


1.2作では
主人公シャーロットの
オルガ女学院での
乙女チックな暮らしを描いてきたが
今回は大学生~婚約と
新しい展開になっていく。

これまでの2作と違って
戦中戦後のインド情勢が シビアに描かれているので
少女コミックストーリーとは かけ離れていくような~
(私には やや難解な部分も多かった)

戦争情勢は厳しくなり
「オルガ女学院」も閉鎖された。
シャーロットは
オックスフォードに進学した。
それでも カーリーとの出会いを切望してやまない。
ひょんなことで知り合った インドの藩王国の王子と
気があって 偽装婚約をして インドに再び戻ることになる。

王子には 別の魂胆があるのか
それとも ただのお人よしなのか~
この物語はまだ続いていくのか~




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