「残り者」  朝井まかて

幕末~維新
江戸城開城の様子を
大奥の視点から描いている。
慶応4年 1868年4月10日のことである。

大奥全員が引き払った後に
なぜか居残る4名の大奥の女性たち。

御中臈(おちゅうろう)の ふき
呉服の間の りつ
御膳所のお蛸
呉服の間の もみじ

旦那様と呼ばれている 天璋院(篤姫)-家定の正室
そして 家茂の正室 皇女和宮
それぞれの主は すでに 江戸城を出て行かれたが
天璋院の飼い猫である 「サト姫」が 気ままに居残っている。

静かに明け渡された 江戸城
その頃には 大方の建物が火事で焼失していて
残っているのは 西の丸だけだったそうだ。

華麗な大奥は映画化ドラマ化されているが
大奥の最後を描いた作品は
これまで見たことも読んだこともなかったので
とても興味深く 楽しく読むことができた。
この作品を読んでいる間は
すっかり江戸時代にワープしていたような(笑)








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「先生のお庭番」   朝井まかて

「先生」とは
江戸時代に 出島で暮らした 医師シーボルトのことである。
シーボルトの家で 薬草その他の植物を育てる為に
派遣されたのが この物語の主人公 熊吉である。
でも この作品の内容は
熊吉の目を通したシーボルトの暮らしぶりなので
熊吉時代のことは あまり詳しく描かれていない。

鎖国の江戸時代にあって
唯一交流を持てた西洋人は オランダ人だけだが
このシーボルトは オランダ政府から派遣されてはいるが
実はドイツ人であったらしい。
オランダ語は得意ではなかったという。

数年前
再建された出島を訪れて
遠い昔のこの地での風景に思いを馳せたものだが
そういう意味でも とても楽しめた作品だった。

日本の地図をオランダに渡そうとしてトラブルを起こしたシーボルト。
日本人妻は 彼にとっては
ただの異国での 思い出の一こまとなっていったのだろうか?

大店(おおだな)のお嬢さんだった「お滝」は
家が没落して 遊女になり出島でシーボルトと出会う。
そして 
シーボルトが 妻を呼んだ名「オタクサ」が
日本の紫陽花の学名につけられた。
おたきさん→オタクサ
楽しいロマンティックな 逸話である。





「御松茸騒動」  朝井まかて

江戸時代中頃の役人のお話です。

榊原小四郎は尾張藩の藩士で
もう戦など無くなった時代では 藩士は刀の替わりに
筆を持つようになり 主に室内でのお役所仕事をするようになったようだ。
よく時代劇で見かける 机をずらりと並べている ああいう形態だったようで。
御松茸の仕事は 上役の書いたものにチェックを入れる作業で
ちゃんとした文章も書けない上役をさげすんでいるので
上役には煙たがられているらしい。

そのせいか
彼は「御松茸同心」に任命される。
国表の松茸山の管理をする~いわゆる左遷のようだ。

・・・とぶつぶつ文句を言いながらも
彼はその職務に真面目に取り組むことになった。

ドラマティックな展開も 笑い転げる場面もないが
本当に松茸山の情景が目に浮かんでくるようだった。

TVの「暴れん坊将軍」では徳川吉宗に敵対する悪者として登場する
尾張宗春だが ここでは民にも人気のある人物として描かれているのが
面白かった。
小四郎の義母である稲や父の仕事仲間であった 「三べえ」達も
楽しく描かれている。

この小説を読んだ後で
車内で 尾張弁に出会い 一人で思い出し笑いをしそうになった。

私は松茸 大好きだけれど
近年 ほとんど口にできなくなったなあ。。。









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