「謎の毒親」  姫野カオルコ

主人公・ヒカル(光世)が久しぶりに学生時代よく通った「文容堂書店」を訪れる。
その店は様変わりしていたが 古書店となった店の主人は
彼女のことを覚えていてくれた。
以前その店の壁には「城北新報」という情報紙が貼られていて
「打ち明けてみません」というコーナーでは 投稿すれば回答が
載せられていた。

今では もう「城北新報」はないのだが
試しに手紙を出してみると ちゃんと回答が戻ってきた。

初めのうちは
子供の頃の 小学校で起きたささいな出来事の謎だったが
次第に 彼女自身と両親との関わりが述べられるようになる。

たしかに 変な親だと思う。
運動会で一等賞になっても 褒めてもらえず
理不尽なことで叱られたりする。

小説だと 変わった親もいるんだなあ~ですむのだが
この作品は 彼女に実際に起きたことが描かれているというので
驚いた。 もちろん 子供の目から一方的に見た出来事なので
事実は もっと違っていたのかもしれないが。。。

読んだ後 もやもやした暗い気分になってしまった。

決して 暴力とか虐待というのではないが
何もかも否定されてしまうというのは 子供にとって辛いことだったろう。

私にも 子供の頃不思議に思ったことは 色々あったのだろうが
今ではほとんど覚えていない。
学生時代にも 謎の出来事があって それだけは 重要な問題だったので
忘れることができない。 できれば 私もこの謎を投稿してみたい(笑)






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「部長と池袋」   姫野カオルコ

姫野カオルコさんの作品は
ちょっと変わった視線を感じるものが多いが
この短編集もそのようだ。

PARTⅠとPARTⅡとに分かれていて
あとがきに寄れば 続けて読まない方がいいらしいが
私は あとがきは後で読む主義なので
そうとは知らず
続けて読んでしまったのだった(笑)

一つ一つの話に関連性がないので
時間を置いて読んだほうが 落ち着くようだ。(賛成)

タイトルにもなっている「部長と池袋」は
ほわっと楽しい余韻が残る作品だった。
若いOLの目線から見た47歳の部長のこと。
「池袋」という地名が へんだ~というへんな部長である。


「青春と街」は
18歳の山科
19歳の新宿
21歳の渋谷
25歳の六本木
33歳の金沢文庫
11歳のハワイ、46歳のハワイ

これは エッセイ風になっているので
作者本人の実話を元にしているのかもしれない。
私には馴染みのない街ばかりだけれど
楽しく読むことができた。

作者は私より5歳年下なので
登場する時代背景がかぶっているので
共感できることも多い。





「整形美女」  姫野カオルコ

整形した二人の女性の物語。

その二人は元クラスメイトだった。
二人は整形した後に再会した。

一人は繭村甲斐子
整形を拒否した大曽根によれば
彼女は完璧な美女・美スタイルであった。
それでも彼女は自分はブスだと信じて
彫が深い顔も スタイルバツグンのボディをも
扁平な物に作り変えてしまう。
そして 以外にも(彼女の言うとおり)急にもて始めた。

もう一方の女性は望月安倍子。
こちらにも出会った大曽根によれば
「ブス」だったそうで・・・
彼女の方は 元クラスメイトで美形だと思っていた
繭村甲斐子の写真のように整形してもらった。

その二人が やがて出会う。
安倍子のほうは 美しく整形したことに罪悪感を覚え
鼻に挿入したシリコンの存在におびえているが
甲斐子のほうは そうでもないようだ。

という まあ 興味深いストーリーではあるが
安倍子の心理はわかりやすいが
甲斐子の心理も言動も理解しにくかった。

結局 作者の言わんとすることは何だったのだろう?





「リアル・シンデレラ」   姫野カオルコ

久しぶりに ちゃんとした作品を読んだ~という気がしてきた。

タイトルと表紙挿絵からは
全くストーリーが読めなかった。
だって 全裸の女性の挿絵(外国人らしい)なんだもん。

主人公は 倉島泉(せん) 1950年生まれ
料理旅館の長女だが 一風(かなり)変わっていると
世間にも家族にも思われている女性で
他人から見ると不幸な事態になっても
結構苦にせず 幸せそうに そして地味に生きている。

30代の編集者が上司の指示で
彼女のことを 関わりのあった人に取材して
ノンフィクション作品として描いた~という設定である。

泉は私とほぼ同世代なので
なぜだか ずっと昔の話を読んでいるような気分になったのは
舞台が 信州という土地柄のせいだろうか?

たくさんの人物が登場するので
一気に読んだけれど 全部把握できてないような気もするが
この泉と言う人の暮らしぶり・生き方は とても興味深いので
引き込まれてしまった。

シンデレラスというよりは
聖女と呼びたいような~
私欲がないといおうか?
それでいて 自分の生家である旅館がうまく行くように
あれこれアイデアを出している。

泉に対する
信州での他人の評価では 妹の美貌が絶賛されているのに
東京の知り合いには 美人だと映っているようで~
このあたりが わかりそうで わからないかも(笑)
病弱な妹が 美しく ピアノも歌もなんでもできるというのは
不公平な設定だと思うが ま これは現実にもあるのかもしれないね。





「昭和の犬」perspective kid 姫野カオルコ

姫野さんの作品は これまでもいくつか読んできて
一風変わってはいるけれど なぜか気になる作家さんだったが
そうなんだ~この作品は直木賞受賞作らしい。(知らずに読んだ)

主人公は 風変わりな両親に育てられた 女の子イクちゃん。
彼女の5歳から 49歳までが描かれていく。
そのかたわらには いつも犬がいて
そして 彼女の生きてきた昭和の時代が 生き生きと描かれている。

あまり楽しそうな場面はない。
突然割れたり(切れる)父親に怯え
中学生になってもブラジャーを買ってくれないへんな母親にも馴染めず
東京で一人暮らし(ほとんど下宿)してからが
少しだけ 自由な暮らしができるようになった。
だから 暗いモードが流れているのだけれど
彼女は決して 悲観ばかりして嘆いているのではなく
淡々と自分の定められた人生を歩んでいる。。。

自伝的要素が強いそうだが
たしかに 読者を引きつける魅力がある
小説らしい小説だと思った。

同じように昭和の時代を生きてきた私なので(私の方が少し年上だけど)
ここに登場するテレビ番組や出来事など共有できる部分も多い。
実家でもずっと犬を飼っていたので
その犬たちを 懐かしく思い出した。

ララミー牧場
逃亡者
宇宙家族ロビンソン
インベーダー
鬼警部アイアンサイド
バイオニック・ジェミー
ペチコート作戦
ブラザース&シスターズ

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