復刻版 その2  「ビタミンF」 重松 清

これは 2001年の記事です。
そういえば 最近 重松さんの本は読まなくなりました。
ちょっと暗いモードが根底にあるので 読んだ後 哀しい気分になることが多いからかもしれません。


本屋さんの店先で私の目を捉えた「ビタミンF」という変わったタイトル、
そして、その文字の下には、ビタミンFの錠剤の入った薬ビンが置かれてある。辺りは一面のクローバー畑。
私はこんなユーモラスな表紙に惹かれて読み始めたのです。

作者はFamily.Father,Friend・・など「F」で始まる様々な言葉を個々の作品のキーワードとして埋め込んでいった、とあとがきに書かれてありました。

この本には7つの短編が載っています。
いずれも30代後半の男性の目から見た家族の様子です。
親子、夫婦の考え方の食い違い、子供の不良化、いじめ、離婚といった、現代の家族生活が、
どれもピリッと心にかすかな痛みを感じる程度に、さらっと明るい日差しの下で描かれています。
こういったタイプの小説に初めて出合ったような気がします。

一番印象的に残ったのは、「セッちゃん」です。
小学校6年生の少女は自分がいじめにあっているのですが、それを両親に話す時は、
転入してきた友人の出来事として、さらりと話すのです。
親がそのことに気づいた頃には、すでに乗り越えていこうとしていて、
少しほっとさせる結末なのですが、私も我が子については、不良化よりいじめの方がありえそうだったので、
とても不安でした。

幸いにも何事もなくそういう年齢は通り過ぎようとしています。
でも、実は私自身もこの小説と同じ小学校6年生の時に、ある男の子に意地悪された経験があるのです。
幸いにも他の生徒が同調しなかったので、単なる「意地悪な言葉」だけの攻撃だったので、
親にも話さず登校拒否にもならず何とか乗り越えることができました。
それだけにここに登場する女の子の健気さ、気丈さがひしひしと伝わってきて、
頑張れヨって、エールを送りたくなったのでした。





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