「虚栄の肖像」  北森 鴻

好きな作家さんだったのに 数年前に亡くなられた。
彼の作品はほとんど読んでしまったのだと思っていたら~
これはまだだったかもしれないと借りてきて…
でもやっぱり読んだことがあるみたい(笑)
でもどこにも感想を記録してなかったようなので アップしておきます。

絵画修復師と花師と両方の顔を持つ 佐月 恭壱。
修復を依頼された作品のことはちゃんと知っておきたいと
来歴や偽物かどうかを調べていくのだが
どれも謎あり わけありの作品ばかりで…

親の代からのつきあいで 仕事のパートナーでもある 前畑善次郎や
華僑の娘・朱明花 別のシリーズの主役である 旗師と呼ばれる古美術商の女性も登場し
狐と狸の化かしあいのような不思議な世界が描かれていく。
絵画の修復と言う仕事は かなり地味で根気のいる作業だと思うが
ここでは 素晴らしい技能を持った修復師・佐月の仕事ぶりが
魅力的に描かれている。

スポンサーサイト

「うさぎ幻化行」  北森 鴻

2年前に亡くなった 北森鴻の遺作。
ちょっと くせがある作風ながら 好きな作家さんだったので
訃報を聞いたときは ショックだった。

さて
この作品
最初から グイグイっと 引きずり込まれていったが
ラスト辺りで なんだか もやもやとして
わけがわからなくなってしまった
もしかして 作者は 最後まで書かずに亡くなられたのだろうか?

親の再婚で兄ができた美月リツ子は 
兄から「ウサギ」と呼ばれるようになる。
その兄の圭一が 飛行機事故で亡くなり
「うさぎ」宛てのメッセージが残された。
だが もうひとり「ウサギ」と呼ばれた女性がいるような気がして
リツ子は もう一人の「うさぎ」を探し始める。


圭一は 音響技術者だったので
音の風景を録音していた。
それに まつわる 技術的な疑問など
興味深いものがあった。
データを分析すれば 何の音が 特定できたりするそうで
分析しないまでも 技術者には
列車の音など 聞き分けられるそうだ。

さて
私には 耳力は あるのだろうか?
目力は 全くといっていいほどないので(近視 乱視 老眼)
せめて 耳力だけは あってほしいのだけど~
人に聴こえないような 特殊な音が聞こえるとも
阪急電車とJRの列車の音が 区別できるとも思えない(笑)
「オレオレ詐欺」に ひっかかるとまでは思わないけど~
(息子たちは俺とは言わないので大丈夫)




「邪馬台」   北森鴻・浅野里沙子

お気に入りの作家さんだった 北森氏が亡くなられたのは
一昨年の一月だった。
この「蓮丈那智フィールドファイル」のシリーズにも
もう出会えなくなった~と寂しい想いをしていたら…
なんと 未完の作品が 彼のパートナーであった 浅野さんによって
見事に完成された。
それも「邪馬台」という 非常に魅力的なタイトルであった。

民俗学の教授である 蓮丈那智と その助手・三國・由美子を中心に
彼の他の作品の主人公であった 旗師(骨董業)・冬狐堂や雅蘭堂の越名なども
勢揃いして ストーリーに幅を持たせている。
テーマは 邪馬台国の謎と言うよりも 長火鉢の中の隠し引き出しから発見された
古い書き物「阿久仁村遺聞」にまつわる諸々である。
この書き物は いくつかの話で成り立っているが その順序はバラバラである。
そして 歴史上の事実を暗示させているようにも思える…

古事記・日本書紀も 決して神話のたぐいではなく 本当に人間同士であった争いごとが
描かれているのでは~というのが 現代の通説になっていると聞く。

邪馬台国の大きな謎と この書き物とは 関連しているのだろうか?
そして 岡山にある 鬼ノ城の温羅伝説や 出雲伝説とは 結びついているのか?

読むごとに 更に謎が深まっていくようで 益々混乱してしまう私であったが~
ふ~ん そうなのか それも たしかに有り得るなという箇所も多く
興味深く読み進めることができた。
同じ様な 思考が ぐるぐるまわっているような気もして
いつもの私のハイペースでは読めず 時間がかかってしまった。

邪馬台国の謎~は 解けない方が楽しいのかも(笑)









「香菜里屋を知っていますか」  北森鴻

北森鴻は 大好きな作家さんだったのに
昨年亡くなられてしまった。
彼の作品は ほとんど読んでしまったので
もう新刊を手にすることもないのだな~と
寂しい思いをしていたら 先日姪が
新刊だよ~と貸してくれた…
それは 確かに彼の亡くなった後に出版された
新刊ではあったが 4年前にハードカバーで
すでに読んでいた作品だった。

でも 私のことだし 4年前だし
ミステリーでもないし~ということで
珍しく再読。
北森鴻の作り出した ビアーバー「香菜里屋」に再会できて
彼の愛した 他のシリーズ物の主人公たちも総動員していて
懐かしく しみじみ読み返すことができた。

未完となった「双獣記」も収録されているが 厩戸皇子・蘇我蝦夷などの話で
その展開についていけず ちょっと わかりにくかった。





04 | 2017/05 | 06
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

のりりん

Author:のりりん

かうんたー
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク